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こんにちは。まるです。
私は、比較的若者の多い職場で働いています。
若さゆえ、自分の気持ちを消化しきれずに
同僚や上司にあたったり、
泣いたり笑ったり、
日々お客様と格闘しているように見えて
実際は自分自身と格闘しているんだなあ、と
私は菩薩のような慈愛の心持ちで彼らを見守っています。
(なんつて)
さてさて、そんな若い職場なので
最近結婚しました!とか
これからプロポーズの予定です!
という若者が数名います。
で、今から書くことは本当はその若者たちに伝えたいこと。
私たちは愛する人と、お互いの幸せを誓い合って夫婦となります。
末長く、いつまでも。
昔は共白髪(ともに白髪になるまで、と言う意味)と言う言葉もありましたよ。
だけど、なぜかそうそう上手くいく夫婦ばかりでないのが現状のようです。
何をどうすれば、いつまでも仲のいい夫婦でいられるのでしょう。
仲のいい夫婦と仲の悪い夫婦、何がそんなに違うの?
きっと、多くのカップルが答えを知りたがっていると思います。
その答えは、案外シンプルです。でも深い。
答えを知りたい方は、どうぞ最後まで読み進めてください。
Contents
夫婦の現状:仲良し夫婦への道のりは遠い?!
厚生労働省の調査によると、
平成 28 年の婚姻件数は 62 万 523 組で、同年の離婚件数は 21 万 6805 組となっていますので、
単純に計算すると
結婚する夫婦のうち、1/3は離婚する、と言う数字が出てきます。(離婚する夫婦の年代は多岐にわたっていますので、28年度に結婚した夫婦の1/3が離婚する、と言うことではありません)
それだけ、「共白髪まで」と誓い合った夫婦が婚姻の状態を続けることが難しいと言うことがわかりますね。
少し前に「成田離婚」と言う言葉がありましたが、これは新婚旅行に行ったカップルが「思っていたのと違う」と早々に相手に見切りをつけて、帰国後すぐに離婚してしまうことを表した言葉です。
これなどは、結婚後初めて24時間一緒に過ごしてみたら、相性が悪いことに気がついた、と言うことですから、
結婚前に同棲するカップルが多くなった現代では、少なくなってきているでしょうね。
それとは対照的に「熟年離婚」と言う言葉もあります。
これは長年の結婚生活に我慢に我慢を重ねてきた夫婦が、例えば子どもの独立や結婚を機に、婚姻関係を続けている理由がなくなり、離婚してしまうことを表した言葉です。
「我慢に我慢を重ねて」と言うのが辛いじゃないですか。
子どものためとはいえ、何十年も我慢の日々を過ごして、挙句、離婚ですから。
「成田離婚」は減ってきていますが、「熟年離婚」はこれからも増えていくかも。
でもね、誰も結婚した時は「熟年離婚」なんて考えてないはず。
歳を取ってもず〜っと仲良しのまま過ごしたい、過ごせる、と思って結婚するんですもん。
なのに、現実は違う。
一体何が原因なんでしょうか?
仲が悪い夫婦の現実って?
のっけから、こんな内容読みたいくないと思いますけど、少しだけお付き合いくださいね。やっぱり現実も知っておかないとね。
「仲が悪い夫婦」と聞いて、どんな夫婦を思い浮かべますか?
1、お互いの悪口を他人に言う夫婦
これはいけません。
お互いに罵り合うならまだしも、他人に配偶者の悪口を言うようになったらだいぶ重症です。
愚痴を言うくらいなら、まだ可愛いかもしれませんが、ガチの悪口はよくないですよね。
これは、夫婦間に限らず人間関係の基本でもありますが、
本気の悪口は、自分の口から出さないようにしたほうがいいです。
実際、本当に相性の悪い人っているものですが、だからと言ってその人の悪口を口から出すと、もう、際限なくその人のことが嫌いになっていくものです。
自分のセリフを自分で聞いて、自分を洗脳しているのと同じことになりますから。
だから、配偶者のことを本気で悪口を言うようになったら、この先の改善がとても難しくなってしまうのです。
2、喧嘩が絶えない夫婦
そのものズバリ、仲の悪い夫婦ですね…。
喧嘩していても実際は仲がいい、というご夫婦もいらっしゃいますが、相手のやることなすこと、全て癇に障って腹が立つ、という状態になってしまうと、辛いですね。
お互い罵り合って、傷つけあって一緒にいる意味があるのだろうか、と思ってしまいます。
ここに子どもがいたら、本当に悪影響しかないことでしょう。
ただ、喧嘩できる、ということは、相手に関心が残っている、ということなので、まだまだ改善の余地がありそうですが…。
3、お互いに無関心の夫婦
これは、「2、喧嘩が絶えない夫婦」より、ず〜〜〜っとマズイ。
「なんで?喧嘩してないよ」と思われますか?
いやいや、これ、本当にマズイんですよ。
「愛してる」の対義語はなんだと思いますか。
「嫌い」ではないんです。
「無関心」なんですよ。
(マザーテレサの言葉です)
「嫌い」と言うことはまだ相手に「関心」があり、もしかすると「嫌い」が「好き」に変わる可能性も残している状態です。
「嫌い」ってことは、何%か相手に期待を持っている、と言うことですからね。
それに引き換え「無関心」とは、
相手に対して一切の感情を持っていない、と言うことです。
「好き」でもない「嫌い」でもない、全くの関心の外。
そこらへんの石ころと変わらないってことです。
もう、そんな関係、修復不可能。
お願いだから、相手に関心くらいは持ってください。
仲のいい夫婦の特徴
では、逆に仲のいい夫婦ってどんな夫婦のことを思い浮かべますか?
例えば…
1、夫が家事に協力的
総務省統計局の「労働力調査(基本集計)」の2016年平均の結果によると、夫婦がいる世帯のうち共働き世帯の割合は48.4%に上るそうです。
このうち高齢家庭など、非労働力人口を除いて計算し直すと、
夫婦がいる世帯のうち共働き世帯の割合は、60.9%にまでなります。
もう、共働きが普通になっているのが現代の日本です。
こうなると、「夫が家事に協力的」と言っている時点で、「遅れてるう〜!」って気がしますが、働く妻にとっては切実な問題ですよね。
2、上下関係がない
夫婦の上下関係って、何?
ってまず思ってしまいますが…。
いやいや、わかりますよ。わからないふりしただけです。
「妻は夫を立てるべし」には、いろいろ深い意味があるので、これを頭ごなしに否定するつもりはありません。
ただね、世間には「自分は男だ!」と言う、ただその一点だけで妻にかしずいてもらえると勘違いしている野郎が多いことも事実。
仲がいい夫婦の関係って、上下関係がない、と言うより、
・お互いのことを尊敬している
・感謝や愛情を口に出す
と言うことだと思うんですよ。
お互いが相手に対して
「こういうところがすごいなあ、自分にはないところだなあ」と素直に思うことができる。
相手が自分に対して何かやってくれたり、声をかけてくれたりしたことに対して
「ありがたい」「気を遣ってもらってるなあ」と感じることができ、かつそれを口に出して相手に伝えることができる。
難しいことじゃないですよね、一言「ありがとう」って言うだけだから。
できない夫婦が多いんでしょうか。
3、相手のことに関心を持っている
ザクっと大きくくくりましたが、
・話題が豊富
・一緒に出かけることが多い
ということにつながります。
結局、お互いに関心があるから、相手の話の内容にも関心を持てるし、会話が途切れない。
会話が途切れないから、一緒にいて楽しいし、積極的に出かけることもできる。
私たち夫婦も子どもを家に残してよく二人で出かけるので、友人から驚かれますが、
共通の趣味があったりお互いの仕事に興味があるので、二人で話す話題がなくなる事がないからなのかなあ、と思います。
ずっと話をしていますので、どんどん思考の方向性が似てくる気がするし、ますます会話が困る事がなくなってきました。(ま、会話がなくなったとしても別に苦ではないですけどね)
仲の悪い夫婦の特徴の
「お互いに無関心」の反対ですね。
仲良し夫婦でいるためのちょっとした秘訣
以上のことを踏まえて、
「これだけのことをしていれば、だいたいうまくいくんじゃないかな」という一般的な秘訣をお教えしましょう。
ただし、これらはどちらかと言うと対症療法的な内容です。
これらの秘訣を実践するだけでも、かなりの効果は期待できますが、
実はもっと根本的な秘訣があります。
それは、後半でおしらせしますので、まずはこちらを。
比較的簡単に実践できて、効果もある。と言うか、これらは夫婦として最低限実践しておくべき、と言う内容です。
1、夫婦は他人であることを忘れない
忘れがちですが、
夫婦はもともと他人です。
子どもは確実に血の繋がりがあって、この繋がりは良くも悪くも切れないものです。
しかし、配偶者は100%他人。
血の繋がりがあるわけではない。
単に、婚姻届と言う紙切れ一枚で繋がっているだけの他人です。
もちろん、そこに「愛」があるわけですが。
でも、毎日寝起きの締まりのない顔を見せられたり、いびきに悩まされたり、地震が起きたんじゃないか、と思うほどのオナラを響かせられたりしていると(全部お互い様ね)
ついつい「元は他人」と言うことを忘れてしまいがちになります。
でも、他人なんです。
他人だけど家族。家族だけど他人。
紙切れ一枚で繋がっているような、ものすごく脆い関係性だからこそ、大切にする必要があるのです。
夫婦という関係に甘えすぎちゃいけない。
配偶者は、あなたのお父さんでもないし、お母さんでもない。ましてやお手伝いさんでもない。
あなたが、友達、同僚、近所の人と接するのと同じように最低限のマナーを守って、大切にしなければならない、と心得ましょう。
2、挨拶を欠かさない
「おはよう」「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「おやすみ」
そして
「ありがとう」。
ごくごく基本的なことです。
と言うか、社会生活を営んでいく上の常識、ですよね。
家庭は、ある意味社会の縮図ですから、もし将来子どもが生まれて立派な社会人に育てたいと思ったら、挨拶をきちんとする、というのはとても重要だと思います。
そして、忘れちゃならない、「ありがとう」。
いつ、何どき、どんな体勢からでも繰り出せる「ありがとう」を身につけましょう。
たった一言の「ありがとう」を時を選んで大切に言うのも感動的かもしれませんが、もっと軽くっていんです。
事あるごとに「ありがとう」を連発するくらいでちょうどいい。
「ありがとう」と言われてへそを曲げる人はいませんよ。
言われないより、ウザいくらい言われた方がずっといいです、「ありがとう」。
「ありがとう」は夫婦関係の潤滑油だと思います。
3、隠し事をしない
ちょっと難しいんですけど、これ、何もかも洗いざらいぶちまけるのがいいか、と言うとそうじゃない気がします。
夫婦の間にだって、秘めておいた方がいい事だってある。きっと。
隠しておくのが思いやりなのか、バレるとまずいから隠しておくのか、で違います。
ただ、隠しておく、と決めたのなら、
その秘密は墓場まで持っていけ!絶対にバレるようなことをするな!バレるなら最初から隠すな!
が鉄則です。
浮気は論外。絶対にバレる。バレないわけがない。悪しからず。
4、プライバシーを尊重する
いくら仲良し夫婦だからと言って、いつもいつもべったり一緒にいるわけではない。
お互いに自分の時間を過ごすことを尊重しましょう。
お互いのプライバシーを尊重することは、「隠し事をしない」と言う了解事項があって初めてわだかまりなくできること。
誰にも邪魔されない自分の世界を持つことは、人間性を深めることにもなりますし、お互いにとっても刺激になります。
むしろ、いつもお互いにべったりでは、そのうちつまんなくなってきますよ。
いつまでも仲良くいるためにも、自分の世界を持つことをお勧めします。
あなたの理想の夫婦像は?
さて、世間的にどんな夫婦が仲の良い夫婦、と認識されているのかを見てきました。
なんとなくイメージができてきましたか?
よりはっきりイメージを固めるためには、あなたが理想とする(真似したいと思える)夫婦像を決めることが早道です。
世の中の夫婦ってゴマンといますが、その中であなたが理想とするご夫婦はいますか?
実際によそのご夫婦の様子を観察できる機会って多くはないので、ちょっと難しいかもしれませんが…。
例えば、ご両親、義両親。
身近にいる人が理想の夫婦像なら、とてもラッキーですね。
あるいは、芸能人の夫婦とか。
あなたが理想とするご夫婦が見つかったら、
「なぜ、理想だと思うのか」と言う点を紙に書き出してみましょう。
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いくつか書き出せたら、それをじっくり見てみましょう。
あなたが書き出したポイントが、
ズバリ、あなたが夫婦の間で大切にしたい、あるいは大事だと思っているポイントです。
それは、他の人の価値観とは違う、あなた自身の夫婦の価値観ですから、大切にしましょう。
そして、それをあなたの配偶者、あるいはこれから配偶者になる人と共有することが大切です。
ここで、私が考える理想のご夫婦を紹介します。
いよいよ新しい時代、令和が始まりました。
平成の30年間、天皇、皇后としての役割を果たされた上皇陛下ご夫妻は、おそらく多くの日本人にとって、理想の夫婦像だと思います。
「退位礼正殿の儀」が終わって退場される時、上皇陛下が上皇后陛下の手を持ってサポートされた姿が放映され、話題となっていました。
昭和34年(1959年)4月10日のご成婚から60年間、いつも仲睦まじいお二人でいらっしゃいます。
もちろん実際のところはどうか私たちには知る由もありませんが、報道等でお姿を拝見する限り、お互いを尊重し、信頼しあっておられるように見受けます。
結婚後60年経ってもこのお二人のお姿は、私たちにとって究極の理想の夫婦像として相応しいのではないでしょうか?(もちろん私の個人的な意見です)
そして、このお二人の関係こそ、夫婦がいつまでも仲良くいるための秘訣とは何か、と言う問いの答えになるのです。
天皇や皇后の役割を果たすことは、一般の私たちには想像もつかないような大変な困難を伴うことだと思います。
それでも「象徴としての天皇像」を体現すること、また日本と日本人の平和と安寧を祈るということを理想としてやってこられました。
この高い理想をご夫婦お二人が共有する果たすべき理念として、ともに努力されてきたことが、お二人の絆を強くする要因であったのではないでしょうか。
つまり、夫婦がいつまでも仲良くいられるために
「夫婦二人が共有する理想の家庭像(=家庭の理念)を持つことが大切。」
ということです。
簡単にいうと、
「あなたたちは、どんな家庭をつくっていきたいの?」
という問いに対する二人一致する回答を持っておきなさいよ、ということですね。
夫婦が共有する理想を持とう。
「どんな家庭をつくっていきたいの?」
結婚するまでに、あるいは結婚してからでも、このことについてふたりで話をしたことはありますか?
もし、「こんな家庭にしたい」という理想の家庭像があるとしたら
それは、二人で話し合って決めたもの?
どちらか一方の思いだけで決めたもの?
あるいは、そんな話はしたことがない?
もし、理想の家庭像がなかったら、また、どちらか一方の思いだけの理想の家庭像しかなかったら。
それはちょっと危険です。
上の方で仲の悪い夫婦の特徴を見てみましたが、
おそらく、結婚生活のどこかでお互いの気持ちが通じ合わなくなったとか、一方的な気持ちの押し付けに、もう一方が疲れ果ててしまった、とかが原因の一つになっているように思います。
お互いの意見のぶつけ合いや、一方的な意見の押し付けだけではない、二人の理想があってこそ、建設的な話ができるのではないでしょうか。
身近な事例:その1
ぜひとも、ここんところをしっかり考えてほしい、
と感じる事例が既に身近にあるので、ちょっと見て行きましょう。
私の職場で最近結婚したのは営業の女の子。
お相手は7つほど年上の取引業者の方。
その女の子は本来自己主張がはっきりしていて自分の意見を曲げない性格ですが、
結婚前から
「彼がこういうので」とか
「いくら(年下の)私が言っても聞いてくれないから」
というセリフを何度も聞いてきました。
結婚後も彼女が仕事を続けることはわかっていたのに
彼女の職場からは車で一時間近く離れた彼の職場近くに部屋を借り、
かつ、
「子供が生まれたら、ちゃんと面倒をみろ。
帰宅が7時や8時になるようなら面倒見られないんだから仕事を辞めろ」
と言われているそうです。(ちなみに彼は定時上がりできる仕事)
もちろん、家事はすべて彼女の仕事。
そんな話を聞くと、わたしなんぞは他人事ながら、はらわたが煮えくり返っちゃって
「ちょっと。あんた。ここにお座り」
と彼を目の前に正座させて、コンコンと説教すること小一時間でも小三時間でもやったるで!と思うのですが、
すっかり結婚の幸せに浸りきっている彼女は
「でも、ときどきは手伝ってくれるんですよ。
彼が手伝ってくれたら、私が貯金箱に100円入れるっていうルールにしてるんです♡」
って。
いや、それ、はじめっから間違ってるから。
ハート飛ばしてる場合やないから。
この彼女に実際「どんな家庭にしていきたいの?」と質問したことはありませんが、
外から見てる分には
おそらく二人で共有する理想の家庭像はないように思います。
彼の意見が強すぎて、それが彼女にとって絶対の意見。
新婚のうちはそれでもいいんです。
「好きになったらあばたもえくぼ」なんて古い言葉がありますが
「好き好き」言ってる間はなんでも魅力的に感じるもんです。
ご主人から高圧的に「こうしろ」と言われるのが新鮮で
うれしい、と感じる場合があっても不思議じゃない。
でも、夢を壊すようですが、
いつまでも「好き好き」だけでは過ごせません。
いつか幻想から覚める時が来る。
そこから本当の夫婦の関係が試されるんです。
一方的に夫なり妻なりが自分の思いを
相手に押し付けようとする、従わせようとする。
そんな関係は、幻想から覚めた時
どんどん冷めていってしまうことでしょう。
身近な事例:その2
もう一つ、身近な例を見てみましょう。
私の職場で「もうすぐプロポーズするつもりです」と言っている彼。
彼らはすでに同棲中。
彼女にお弁当を作ってもらったり、作ってあげたり、まあごちそうさまって感じです。
まだ若いので、経済的にはなかなか大変そうですが、
「結婚するまでにもう少し貯金しておかないと…。」となかなか堅実です。
結婚後のことも二人で話すことがよくあるようで、
先日はこんなことを言っていました。
「僕、まだ全然給料も良くないので、彼女にはぜひ仕事を続けて欲しいと言ってます。その分、家のことは一緒にやっていこうと思ってるんですが、どうも彼女は仕事を辞めたいらしくて…。でも、僕一人の給料ではやっていけないし、どうしようかなあ」
まだまだ二人の合意には至っていないようですが、こうやって、自分たちはどうしていきたいのか、二人で話し合えることが一番大事なんです。
この二人にも「どんな家庭にしていきたいの?」と質問してみたことはありませんが、将来のことを話し合える二人なら、きっとこの問いについてもきちんと話し合いをして、二人で答えを出せるはずです。
これからなんども話し合って着地点を見つけて欲しいと思います。
夫婦関係は会社と同じ…?
家庭の理想像(=理念)を持つ、という話を会社に例えてみるとわかりやすいです。
理念のない会社(家庭)の場合。
ワンマン社長がトップダウンで何もかも決めてしまい、社員はそれを実行するだけの会社。
社長の判断基準は、自分なので判断の軸がぶれることが多く、社員がそれに振り回されている状態。
いわば、社長のためだけに会社や社員が存在しているので、社員はやりがいを見出せないでいる。
事例その1でいうと、彼が社長、彼女が社員。
社長があまりにも身勝手で社員のことを顧みないなら
いつか社員は疲弊してしまい退職願を出したくなります。
夫婦の役割が社長と社員では、健全な夫婦関係とは言えませんよねえ。
では、逆に理念のある会社(家庭)の場合。
高い理想を掲げて、社長以下、社員全員が一丸となって理想の実現に向けて
頑張る会社。
先ほどのワンマン社長が経営する会社との違いは全てに優先するところに「高い理想(=理念)」が位置していることです。
それは、社長の意見よりも重要度が上。
もし社長がワンマンで、トップダウン式の指示をするような人だったとしても、それが理想の実現のためだったとしたら部下はそれを受け入れられるはずです。
だって、同じ理想を掲げてるんだから。
この時、
社長とそれ以外の社員は雇用主と従業員の関係だけでなく
同じ理想の実現を目指す同志でもあるのです。
家庭の理想像(理念)を決めることのメリット
会社の理想(=理念)と同じようにそれぞれの家庭でも
「どんな家庭にしていくのか」という家庭の理想(=理念)を定めることのメリットが二つあります。
1、やるべきこと、取るべき行動が明確になる
一つ目は、その時その時に自分がやるべきことが明確になる、ということです。
例えば、「一家団欒を大切にする」という理想を掲げるなら
奥さん一人に食後の後片付けを任せていたのでは団欒の時間が短くなるので、手の空いている人が一緒に片付けをする、とか
テレビがついていたのではお互い話をする時間がなくなるので、食事中と食後1時間はテレビを消して一緒にお茶を飲みましょう、とか
その理想を実現するためにできることはたくさんあるはずです。
「家庭は十分に休息をとって、日々の活力を養う」でもいいですよ。
それなら、出来るだけ面倒なことをしなくて済むように、便利な電化製品を買う、とか、心がリラックスする音楽を流す、とかアロマを勉強してみる、とかできますよね。
内容はなんでもいいんです。
ただ、二人が一緒に考えて決めること。
二人で決めた理想を実現するために、今自分は何をするべきか。
頭の隅にでも、この意識があるかどうかで相手に対する態度が全く違ってくると思いますよ。
もちろん、家庭は休養するための場でもありますから、四六時中気が抜けないのはしんどいですよね。
疲れていたりしたら、ついつい後回しにしたくなることもあるでしょう。それは仕方ない。
ただし、それはお互い様。
相手が疲れているときは、こちらがちょっと頑張ってあげる。
こちらが疲れているときは、ちょっと甘えてみる。
二人とも疲れているときは、相手に押し付けたりしないで二人で休む。
そんな風にできるのも相手のことを大切に思えるが故ですよね。
2、時とともに変化する愛情に向き合える
夫婦の愛情は時とともに変節していく、と書きました。
事例その1の場合では
「スキスキ」の幻想が消えた途端、どんどん冷めていって、下手すると離婚、という話にもなり兼ねない状態でした。
確かにいつまでも恋人同士のようなラブラブの関係がいつまでも続くものではありません。
しかし、二人が共有する理想があれば「スキスキ」の幻想が消えてしまったとしてもその後、理想を実現するための「同志」という役割が全面に出てきます。
子育てだと、わかりやすいですね。
「子供を育てる」という共通の目的のため夫婦は同志として子育て事業に関わっているじゃないですか。
(子育てを妻に丸投げの夫なんて、論外。正座で小一時間説教だ!)
お互いへの愛は変節してしまっているけど、子供を育て上げる、という一点では協力し合える夫婦を何組も知っていますよ、私は。
先に究極の夫婦の理想像として挙げた上皇陛下ご夫妻は、「象徴天皇としての務めを果たす」という高い理想のために60年間、ともに努力を重ねてこられたのです。
そこには、夫婦の深い愛情とともに、一緒に理想に向かって歩む「同志」としての深い信頼と尊敬があったと思います。
二人で目指すべき理想があって、ともにそこを目指すからこそ
長い夫婦生活の間に、「スキスキ」だけでない、深い信頼と愛情を持つことができるのです。
まとめ
結婚とは、新しい家庭を築くことです。
家庭とは、社会の縮図であり、社会の入り口です。
家庭の集まりが社会の基礎を作っているのです。
なんとなく好き同士だから結婚する、じゃなくて、
二人で新しく家庭をつくっていくわけですから、
まず、ちゃんと二人で話し合って
「どんな家庭をつくっていくのか」
という理想の家庭像を共有しましょう。
そしてそれを二人で決めたなら、力を合わせてその理想を実現できるよう努力しましょう。
なんとなく決めて、しばらくしたら
「なんだっけ、忘れちゃった〜」ってことのないように。
なんなら、婚姻届に
「私たちの家庭の理念はこれこれです。」
って書き込む欄があってもいいくらい。
家庭は明日また元気に活動できるように
エネルギー補給する場でもあり
理想を実現するために夫婦が協同作業をする場でもあります。
だから、夫婦はパートナーなんですよ。
私が言いたいのはまずはこれだけ!
伝わってほしいなあ。
若者の未来に幸あれ!
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